2月16日(土)「午後の集い」は、しっとりと 芝浜?!でした/近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2月16日(土)「午後の集い」は、しっとりと 芝浜?!でした/近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

近況

2月16日(土)「午後の集い」は、しっとりと 芝浜?!でした

2019年2月16日

月に一度、リビングアカデミー(LA)の全学生が集まる「みんなの日」。全員そろって自由学園伝統の昼食をいただいた後は、「午後の集い」といって、みんなの関心があるテーマを探し、学生同士の交流や自主活動にあてる時間です。この日は、LA学生の自治組織である協力委員会が、若手噺家(はなしか)による『落語会』を催してくれました。

お招きしたのは、三遊亭楽生(らくしょう)師匠。テレビ「笑点」大喜利でおなじみの三遊亭円楽師匠、その一番弟子です。若手といってもすでに中堅、芸も声も油が乗りきった頃合いです。

噺家さんというのは、何でもできるのですね。学校には当然、演芸用の舞台などはありませんから、前日、協力委員が「音楽室」に集まって会場の設営。ああでもない、こうでもないと言いながら、一応それらしい会場を設営したのでしたが、早めに来られた楽生師匠がサッと見て、手直し案を示してくださいました。そのとおりに設営してみると、ふだん中・高・大の生徒たちが音楽を練習している「音楽室」が、みごと「寄席の舞台」に大変身。階段教室なので、自然に客席の視線が集まる形になっていたことも良かったようです。

いよいよ協力委員長の司会で、『落語会』の始まり。でも、師匠は、すぐに高座へは上がりません。脇に立ったまま、軽妙な語り口で自己紹介や寄席の仕来たりの説明をしながら、客席とのやり取りです。みんなで大笑いしているうちに、勉強モードから寄席モードに気持ちが切り替わりました。そこでいったん退場して、出囃子にのって再登場すると、さきほど教わったとおり客席から「待ってました」の声がいくつか。師匠もご機嫌です。

高座は、前半が「味噌豆」を中心とした笑わせる話。休憩をはさんで後半は、「芝浜」でした。しっとりと聞かせくれる古典的な人情話で、みんな時のたつのを忘れて聞き惚れました。

寄席と違うのは、その後にQ&Aタイムを取ってもらえること。今回のような出張高座では、前もって演題を決めておかず、お客さんの喜びそうなネタをその場で決めることが多いそうです。「今日のお客さんは集中して聞いてくれそうなので、思い切って渋い古典物にした」と話してくれました。私たちも、嬉しくなりました。また、「芝浜」のような古典物も、噺家それぞれが少しずつ工夫を凝らしながら改善に努めているとのこと。楽生師匠の工夫は、「酒はやめとこう。また夢になっちゃいけねえ」というオチを、御上さんに向かって言うことだそうです。確かにその方が、夫婦の情愛がしっとり出ると思いますね。今度は、ほかの噺家さんの話も、寄席へ行って聞いてみたくなりました。

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