リビングアカデミーの学生は、ふだん幾つもの選択クラスに分かれて、生活・美術・工芸・音楽など様々なことを学んでいます。それが毎月1回、全員集まって共通の時間を過ごすのが「みんなの日」。そのメインイベントは、午前中の「教養講座」です。本年度最初の講座は、佃良勝さんによる「能楽での囃子方」でした。佃さんは、能楽大鼓方(おおつづみかた)として、あちこちの重要な舞台で活躍されておられます。お子さん4人を自由学園に通わせておられたという御縁で、今日の講演をお願いしました。
能舞台や楽器の構造、能楽師の種類や構成などの基礎的なお話しから始まって、囃子方としてのご苦労、能のお囃子の楽譜の読み方まで、実演を交えた楽しい講演で、時のたつのを忘れました。
そして最後は、フロアから順番に希望者が出て、実際に大鼓を打たせていただきました。単に手でたたいただけでは音がでません。牛の皮を張った「枠」を手の平でたたき、指先が一瞬ふれた後、皮から手が離れることによって良い音が出ます。しかし、「枠」は鉄製なので、これがすごく痛い! 仲間の学生がやっていますから、表情で痛さがよく分かります。実践を重んじる自由学園らしい、とても充実した講演でした。