今週の1冊『ドリトル先生航海記』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『ドリトル先生航海記』

2024年7月8日

2024年7月8

『ドリトル先生航海記』ヒュー・ロフティング作 金原瑞人・藤嶋桂子共訳 竹書房
ドリトル先生シリーズの2冊目、筆者トーマス・スタビンズがドリトル先生に初めて会った頃の冒険物語です。動物語が話せ、好奇心旺盛で博学、博愛の精神に満ちたドリトル先生のことは、多くの方がご存じでしょう。私も子どもの時代に、井伏鱒二訳の岩波版を夢中になって読みました。
ドリトル先生シリーズが1920年に始まって100周年の記念に、アメリカで新たに編集された改訂新版シリーズが、翻訳されたのがこの本です。原著も差別的表現などが改められ、訳文もこれまでの「です・ます」から「た・る」の文体に変わりました。
原作者のヒュー・ロフティングは1886年イギリス生まれ、第1次大戦従軍中に息子に書き送った物語がドリトル先生の原型。表紙、挿絵もロフティングのもの。丸い鼻、丸いおなかのドリトル先生のモデルは彼の息子だといいます。「Do little」というヒーローでは全然ない博物学者が、博物学の知識を求め、スタビンズを連れて海に出ていく冒険は、奇想天外であたたかく、ワクワクはらはらします。これは決して児童だけの物語ではないと思うのです。今回は4度目の日本語訳。新しい訳が出るたびに読んでいますが(角川つばさ文庫:河合祥一郎訳、新潮社:福岡伸一訳)、その度に私も心躍る旅をします。
新しい訳は現代風にすっきりと、でも20世紀初頭の雰囲気はそのままに冒険旅行が進んでいきます。夏を迎えるころ、冒険心を呼び覚ます懐かしくも新しい一冊です。

 

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