今週の1冊『店長がバカすぎて』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『店長がバカすぎて』

2024年6月17日

2024年6月17

『店長がバカすぎて』早見和真 角川春樹事務所
 先日、中学生の娘が、「お母さん、この本面白かったよ」と勧めてくれた小説です。第一印象は「え? タイトルに“バカ”って入れるなんて?!」でした。学校職員が、タイトルに「バカ」が含まれている本をお勧めするのもどうかと思われるかもしれませんが、しかし、この本は特に、本好きの方にぜひ読んでいただきたいので紹介します。
 東京は吉祥寺にある「武蔵野書店」を舞台に、契約社員で書店員の谷原京子の語りで物語は進みます。まったく場の空気を読まない店長・山本猛は、谷原からも、他のスタッフからも冷たい目で見られることが多いのですが、どこかに「いや、これは装っているのではないか?本当はすごい人なのかもしれない」と思わせてしまう描写が続きます。作者の推理小説家の一面も生かされているようです。書店を訪れる常連さんと店員のやりとり、出版社がまだ本になる前のゲラを書店員に先行して読んでもらう現場、そして、作家と書店員の関係。この物語には、「本」を中心とした、人のつながりが鮮やかに描かれており、本への愛がこれでもか、とつづられています。と、思って読み進めていくと、最後の最後で大どんでん返しが…これが、ただの「お仕事小説」にはとどまらない、この本の最大の魅力です。
 ちなみに読了してから、続編の『新!店長がバカすぎて』(早見和真 ハルキ文庫 2024)もすぐに買って読んでしまいました。こちらも期待を裏切りません。

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