今週の1冊『化学の授業をはじめます。』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『化学の授業をはじめます。』

2024年5月20日

2024年5月20
『化学の授業をはじめます。』ボニー・ガルマス著 鈴木美朋訳 文藝春秋 
1960年代のアメリカを舞台にした小説です。主人公のエリザベス・ゾットは、化学を専攻して大学院の修士課程まで進みますが、指導教官のアカハラ、セクハラにあい、博士課程へは進学できずに研究所へ就職します。そこで新進気鋭の研究者キャルヴィン・エヴァンズと出会い、意気投合。その後さまざまなアクシデントが起こりますが、結果的にエリザベスは妊娠・出産してアマンダという娘を一人で育てることとなります。シングルマザーになった後に失職し、どうやって子どもを育てていけばよいか困っていた時、エリザベスはひょんなことからテレビ番組に出演することに。番組タイトルは「午後六時に夕食を」、そう、料理番組です。エリザベスは「料理は化学です」という言葉からこの番組を始めました。プロデューサーはまったく違う演出を想定していたのに、です。制作側からは猛批判を浴びますが、エリザベスは動じません。自分のやり方でこの番組を進めます。すると、テレビの向こう側にいた女性視聴者たちが熱狂的に彼女を支持し始めたのです。有名になっていった番組、そしてエリザベスはその後…。ぜひ読んで確かめてください。
2023年、日本のジェンダーギャップ指数は125位で、過去最低でした。研究職におけるハラスメントも激しく、特に理系の研究者に女性は少なくなっています。ですが、何に興味を持つかは個人の自由。科学に興味を持つ女性も多くいるはずです。60年代のアメリカが舞台の小説なのに、日本の現状に大きな問いかけをしてくる内容です。

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