今週の1冊『じょっぱりの人』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

今週の1冊『じょっぱりの人』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『じょっぱりの人』

2024年5月13日

2024年5月13
『じょっぱりの人』 森まゆみ著 婦人之友社
この本は、2021年1月号から2023年8月にかけて(番外編は2024年3月まで)月刊誌「婦人之友」に掲載された「羽仁もと子とその時代」を加筆修正し1冊にまとめたものだ。当学園の創立者、婦人之友社の創業者の伝記的ノンフィクションである。題名の通り、この頃「日本で最初の女性記者」として取り上げられることが多くなった羽仁もと子とその周りの人々、及びその時代を描いて、その空気感までが見えてくる一冊となっている。羽仁もと子の「人間」に対する熱い思いとともに、丁寧に原資料に当たられ、取材をして回られた著者の姿勢が伝わってくる。「じょっぱり」とは、もと子の故郷青森の方言で、強情・意地っ張り、ー信念を貫き通すことー。
羽仁もと子を自由学園、ある意味身内の側からその著作を読んでいるときには、うかがい知れない第三者の目線で書かれた姿、今まであまり知る機会のなかったご家族のことなど、驚きや発見が多かった。
また、羽仁もと子という人物、大正から戦争までの時代、その時代の教育を取り巻く環境、一般にあまり知られていないこれらのことについて、大変読みやすい資料になっている。
帯には生物学者の福岡伸一氏が、「かつてこんな女性がいた。全日本人のロールモデル。ー 本物をめざしつつ行動は地道に、思想は高く言葉は平らかに、利己的でなく常に利他的ー」と紹介している。
学ぶことの多い1冊です。

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