今週の1冊『トムは真夜中の庭で』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

今週の1冊『トムは真夜中の庭で』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『トムは真夜中の庭で』

2024年3月11日

2024年3月11日
『トムは真夜中の庭で』 フィリパ・ピアス 著 岩波書店
 英国児童文学の代表作の一つのであるこの本を、子ども時代大好きでよく読んだ。それを近年コロナ禍で思い出したのは、主人公のトムが、病気になった弟と隔離されるために休暇中おじさんの家行くところからお話が始まるから。そして今思い出しているのは、トムが秘密の体験をする中で辞典で調べ物をする場面だ。
 トムは、真夜中の裏庭で出会って一緒に遊ぶようになったハティと、お互いを幽霊だと言い合ってけんかをする。トムは相手が幽霊だと証明するために、ハティの生きている時代を特定しようとおばさんの辞典を開く。そして女性の服装からそれがビクトリア女王の時代であること、ビクトリア女王の在位が1837年から1901年であることを知って、やっぱり昔の人つまり幽霊じゃないか、と思う。ビクトリア時代にたどり着くまでの辞書の引き方は正しかったが、幽霊という推論が間違っていたのだが。
 学園では今月始めに中高生の学びの発表会が行われた。それぞれ1年間探求して学んだ内容を、自分らしく表現していた。興味を持ったことを自ら調べ、体験し、推論し、次の問いにつなげていく学びは、大変面白いし、厳しい面もある。70年前のイギリスの子どもたちも何か知りたいときに頼りにするのは辞典だった。今日の生徒たちにも辞典が身近な存在でありますように。 

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