今週の1冊『人間関係ってどういう関係?』『52ヘルツのクジラたち』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『人間関係ってどういう関係?』『52ヘルツのクジラたち』

2024年2月26日

2024年2月26日
『人間関係ってどういう関係?』 平尾昌宏著 ちくまプリマ―新書
『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ著 中公文庫

『人間関係ってどういう関係?』では、倫理学者である著者が、「社会」と「個人」の間にある、「夫婦」「友だち」「恋人」「親子」などの関係について分析しています。改めて「親子」という関係について定義せよと言われたら、けっこう困りますよね。血がつながっている?いえいえ、そうではなくても親子、という人はたくさんいます。こういった事例を取り上げながら、著者は「タテ、ヨコ」と「共同性、相補性」という概念を用い、4分類しています。とはいえ、定義づけはできたとしても、主体となっている「人間」はかなり不確定要素が多く、決まった行動をとるわけではない、ということも書かれており、確かになあと思いました。そして、この本を読む直前に読了していた『52ヘルツのクジラたち』を思い出しました。町田そのこさんの作品は、人間の様々な本質を描くものが多いのですが、この作品もそうで、絶望と希望が、これでもか!というくらい交互に描かれます。大分の海沿いの町に越してきた女性と、その町に住む中学生との交流を軸としていますが、とにかく様々な人間関係が表現されています。親友って?親子って?と考えさせられるし、自分にとって大切な人に出会うのは、ちょっとしたきっかけだったり、本意ではないけれど人に頼ってみたときだったりする、ということに、何か勇気づけられるのです。人間関係はもちろん、人間は不思議な生き物だな、と思わされた2冊です。

 

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