2023 夏休み すいせん図書  №4 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2023 夏休み すいせん図書  №4 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2023 夏休み すいせん図書  №4 

2023年8月14日

 

【すいせん図書 2023.8.14

国語科 N先生
『国を救った数学少女』 ヨナス ヨナソン 著 西村書店

主人公は南アフリカのノンベコという13歳の女の子。(ただし架空の話)し尿処理場で汲み取り桶運びに明け暮れ、学校にも通えない境遇にも関わらず、天才的な数学の才能の持ち主です。そんなノンベコはひょんなことから開発途上で余ってしまった核爆弾(!)を巡る国家レベルの騒動に巻き込まれます。しかしノンベコの数学的な知恵のおかげで難問は解決、果てはスウェーデン国王と首相の命も救われます。スピーディな場面展開と、奇想天外だがどこかにありそうな話の連続で夢中になること請け合いです。数学の面白さ、奥深さにも気づかせてくれる本です。

 

英語科 W.Y.先生
『どうぶつ会議』エーリヒ・ケストナー 著 岩波書店
―少しも成果のあがらない人間の会議をみておこった動物たちが、世界平和のために一大会議をひらきます。
絵本だからと侮るなかれ。「こどもたちのために」と銘打って開かれる、どうぶつたちによる会議の様子がとてもリアルです。人間の大人が行っている会議と違うのか、はたまた同じなのか。内容を素直に楽しむのもよし。細かく描きこまれた絵の細部を眺めるのもよし。人間社会と二重写しにして考えてみるのもよし。絵本の楽しみ方が広がります。
学園で行われている懇談や議論は、どうぶつたちの会議と比べてどうですか。ぜひ感想を教えてください。
高校生は、ジョージ・オーウェル『動物農場』と併せて読んでみるのもおすすめです。
『動物農場』ジョージ・オーウェル 著 ハヤカワ文庫ほか


『ぼくらの七日間戦争』宗田理 著 ポプラ社
累計発行部数2000万部を超え、映画化、アニメ化、舞台化がなされた青春小説の名作。東京の下町にある中学校に通う1年2組の生徒が、廃工場に立てこもって、大人たちと戦います。私も中学生のときにドキドキしながらページをめくった記憶が残っています。中学生のいま感じるもの、中学生のいましか感じ取れないもの、中学生のいまだからこそ得られる感覚――。この物語を通してそんな瑞々しい〈じぶん〉を感じてみてください。これを機に、映画や舞台などを楽しんでみるのもいいかもしれません。

『tuesdays with Morrie』Mitch Albom (『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム著 講談社英語文庫)
“The last class of my old professor’s life took place once a week in his house, by a window in the study where he could watch a small hibiscus plant shed its pink leaves. The class met on Tuesdays. It began after breakfast. The subject was The Meaning of Life.”
スポーツ記者として活躍するミッチは、大学時代の恩師・モリーの姿を見かける。モリーは難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っていた。そんなモリーはミッチと再会して一言、「君の抱える問題を話してくれないか」。死の床で行われる授業に教科書はない。テーマは「人生の意味」について。
「死」について、本書で最も印象に残っている一節を引用します。
You’re not a wave, you’re a part of the ocean.
(あなたは1つの波ではなくて、大海の一部なんだ)

図書館 F先生
『ヒロシマ 消えたかぞくのあしあと』 指田和 作 ポプラ社
2019年に出版された写真絵本『ヒロシマ消えたかぞく』の、 家族の足あとを追ったお話。p235に記述されている「六郎さん一家は〈消えた〉んじゃなく、原爆で〈消され家族〉なんよね」という文章が胸に刺さる。
子どもの頃、夏休みは長崎県の祖母の家ですごした。8/9原爆の日、従弟が通う長崎の小学校は毎年登校日。昼食は必ず“すいとん”だった。戦争を忘れないように、と。

『川滝少年のスケッチブック』小手鞠るい 著 講談社
著者の父(1931年生)のスケッチブックがもとになった物語。終戦の時は14歳。軍国少年の日常が丁寧に描かれている。
8月15日は終戦記念日。戦争を語れる人は少なくなっている、ぜひ近くの涼しい本屋や図書館に行って、ノンフィクションの作品も読んでみてほしい。

 

図書グループ F.R.さん
『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子 著 講談社
この本は今や有名になっている黒柳徹子の幼少期を書いた小説である。他と比べて少し変わっていた子であった本人の過去から、どのようにして今の黒柳徹子が出来上がったのかなど、本人の軸になっている部分がよく書かれている。また、時は戦争真っ只中の東京であり、戦争や、その時代背景に触れた描写や、ストーリーも数多く出てくる。
読んでいてとても濃いストーリーが楽しめる本。

『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 作 清川あさみ 絵 リトルモア
絵本になった「銀河鉄道の夜」。
「銀河鉄道の夜」は、“本当の幸福”とは何かを二人の主人公が死者の乗る列車に乗りながら考えていくストーリーである。この本はそんな「銀河鉄道の夜」のストーリーや、伝えたいことをわかりやすく絵で説明してくれている上、とても美しく、読んでいてとても考えさせられ、満足する一冊。

 

過去の紹介図書はこちらからご覧ください。

 

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