2023 夏休み すいせん図書  №2 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2023 夏休み すいせん図書  №2 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2023 夏休み すいせん図書  №2 

2023年7月31日

夏休みすいせん図書 2週目は盛りだくさんです。
各部の先生方、各部図書の係、学部図書グループ学生、図書館スタッフから寄せられた原稿を、毎週月曜日に掲載します。
掲載した図書は、ほとんど学園の図書館に所蔵しています。
お住いの地域の図書館でも探してみてください。

【すいせん図書 2023.7.31

社会科 N先生
『土偶を読む』 竹倉 史人 著 晶文社
 
『土偶を読むを読む』 縄文ZINE編 文学通信
縄文時代につくられた人の形をした焼き物「土偶」。その形からか、またはその使い方に想像が膨らむのか、人気のアイテムです。
『土偶を読む』は2021年に出版され、土偶の正体を解き明かしたとして、人気の本です。謎解きはサクサク進むし、知的好奇心は満たされ、読んでいて楽しいと思います。

もう一冊の『土偶を読むを読む』は、考古学研究者が『土偶を読む』の内容を検証した本です。両方読むと、土偶のことがさらによくわかると思うのでぜひ2冊を読み比べてください。
さて、この2冊の本には、実は土偶のこと以外にも、中高生(大学生)の皆さんにぜひ考えて欲しい問題が隠されています。探求の学びを進める先にある皆さんの「モヤモヤ」(がもしあるならば)、解決する糸口になるかもしれません。


『史料としての猫絵』 藤原重雄 著 山川出版社 日本史リブレット79

この本の表紙の絵の猫はどこを見ているのか?今も私たちは猫の写真や絵が好きですが(猫に限らず動物の)、江戸時代にも猫の浮世絵がたくさん刷られ、人気でした。この本は、猫の浮世絵から江戸時代の人々の考え方や文化を明らかにしていきます。
薄い本なので気軽に読んでみてほしい。猫好きの人が、この本をきっかけに歴史好きになってくれるといいな。

『育休刑事』 似鳥鶏 著 幻冬舎
生後3か月の男の子「蓮くん」と育休中の刑事が事件に巻き込まれ、事件を解決していくお話。今年NHKでドラマ化もされました。
活躍するのが刑事さんだけではなく、「蓮くん」がいないと事件の謎が解けないところが見どころです。推理ものですが、「蓮くん」のおかげでほっこり読めるのもよい。
ただ、育休中に仕事をさせるのは良くないのですが…

『十二国記シリーズ』小野不由美 著 新潮文庫
『魔性の子』からはじまるシリーズ。私ぐらいの世代の人は高校生ぐらいのときに読んで、バイブルのように繰り返し愛読した人が多いでしょう。18年ぶりに新作が登場しました。
古代中国に似た架空の国に、日本の女子高生が王として招かれたことから物語は始まります。彼女は王として国を治めることができるのか。
ちょっと読みにくいかもしれませんが、学園の人たちにはぜひ「慶の民に、己という領土を治める唯一無二の君主になってほしい」という彼女のセリフ(ちょっと要約しましたが)が登場するまで頑張って読んでほしい。夏休みだし、本を山積にして読みふけろう。

男子部 S.R.先生
『玩具修理者』  小林泰三 著 角川ホラー文庫
私は、ホラー映画は苦手ですが(ビックリするから)、この作品によってホラー小説なら楽しめると気づけた本です。ビックリこそしないものの、小説ならではの、じんわりとした怖さ、気持ち悪さがあり、夏にちょうど良い本ではないでしょうか。映画は大勢で見られますが、本を読むのは原則一人だと思いますので、この夏一人でホラーに挑戦してみたいという方は是非。同本にもう一遍ある「酔歩する男」もタイムリープもののホラーという一風変わったものですが、こちらもじんわりとした怖さ、登場人物の焦りが伝わって来て惹きつけられます。

『有頂天家族』  森見 登美彦 著 幻冬舎
ふんわりとした森見登美彦の可愛らしい文体が好きですが、当人からしてみれば狸鍋になるのか、ならんのかの命がけの狸小説です。ある時は天狗を化かしたり、人間を真似たり、あるいは鍋に…と狸の自由と愛らしさが全面に出た狸小説です。心温まるのでどちらかと言えば冬にぴったりです。

『あなたに似た人』  ロアルド・ダール 著 ハヤカワミステリー文庫
チョコレート工場の秘密でおなじみのロアルド・ダールのミステリーホラーの短編集です。短編集なので読みやすく、サクッとゾクッとしたい方にオススメです。話の最後まで気が抜けません。

 

体育科 Y.T.先生
『「空気」の研究』  山本七平 著 文春文庫
個人的には自由学園は「空気」を読まない、あるいは「空気」を壊す学校でありたいです。それは日本がとっても「空気」を大事にして(たとえば「忖度」とか)、そのせいでいろんな悲劇を生んできたから。でも悲しいことにこの学園でも「空気」の読み合いが始まり、「空気」を壊すことが後ろ指をさされるようなことが起きます、よね。ようやく同調圧力から離れて一人になれる夏休み、「空気」とはなにか、考える時間をとってみませんか。

教務 K先生
『死にカタログ』 寄藤 文平 著  大和書房
誰にも必ず訪れる「死」を、様々な観点からシンプルかつポジティブに描いた一冊です。著者は広告やロゴデザイン、アニメーション制作などを手がける寄藤氏で、すべてのページにイラストが描かれています。内容的にもデザイン的にもユニークな書籍となっています。

 

図書グループ Hさん
『都会のトム&ソーヤ』 はやみねかおる著  講談社
中学2年生の内藤内人は塾の帰り道、クラスメイトの竜王創也が人気のない路地に入っていくのを目撃する。しかし、追いかけてみると路地に創也の姿はなかった!そんな出会いから、内人は知らず知らずのうちに創也との冒険に巻き込まれて……。
どんな状況でも生きて帰る最強サバイバー「内藤内人」と、成績優秀・眉目秀麗、だけど少し暴走気味な財閥の御曹司「竜王創也」の最強凸凹コンビが「都会」を舞台に繰り広げる冒険に、心躍ること間違いなし!長い夏休み、シリーズ一気読みはいかがですか?(学校の図書館には全巻揃っています。公共図書館にもある場合が多いです!)

過去の紹介図書はこちらからご覧ください。

 

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