9/21(火),22(水) 平和週間/近況 - 自由学園 女子部/東京の私立中学・高校

9/21(火),22(水) 平和週間/近況 - 東京の私立中学・高校【自由学園 女子部(中等科・高等科)】 - 中高一貫教育

近況

9/21(火),22(水) 平和週間

2021年9月25日

今年度の平和週間は9月21、22日に行われました。

1日目にご登壇していただいたのは、戦場体験者の坂上多計二(さかうえたけじ)さん。96歳の坂上さんは、太平洋戦争中にフィリピンのミンダナオ島で農業指導員として現地で日本軍への食料調達を行なっていました。終戦が近づいた1945年5月、米軍が現地に侵略を始めたことから坂上さんが滞在していた地帯も攻撃を受け、逃げることを余儀なくされました。今回の講演では、そのような戦地の様子や、坂上さんが経験された飢餓の苦しみ、また戦争に対しての思いなどを語っていただきました。戦後ずいぶん時間が経ち、坂上さんご自身も年齢を重ねてきている中、当時の光景を思い起こさせる鮮烈なお話は多くの人の心に強く残ったと思います。

2日目は「当たり前ってなんだろう、マイノリティとこれからの社会」をテーマに、障がい社会学者の星加良司先生に講演していただきました。 前半ではマイノリティと今の社会の現状について、後半ではマイノリティの中でも「障がい」にクローズアップし、社会モデルと個人モデルについてのお話をしていただきました。 現在の社会はマジョリティが中心となっていること、社会の偏りをなくすにはマイノリティの声が必要ということなど様々な学びがありました。 この講演を、自由学園という社会が偏りがなく、皆が生きやすい社会となるための糧にしていきたいです。

2日間とも、講演後の質疑応答では、生徒・教職員からたくさんの質問が寄せられました。また、係が設置した感想を共有するサイトには講演を聞いてのさまざまな感想も集まりました。その中から以下の2つの感想を共有します。

〇講演についての感想

坂上さんが戦場で体験されたことは私たちの想像をはるかに超えるもので、話を聞く中で痛々しく残酷な光景が目に浮かんで苦しくなりました。坂上さんが「正義の戦争はない」とおっしゃっていたことが印象に残り、心から共感しました。現在、日本には「国を守るためには武器を行使してよい。守るための戦争は必要だ。」と言う政治家が居ますが戦争は誰かの命を奪い傷つけることに変わりはありません。そのようなことは絶対にしてはいけないと坂上さんのお話を聞いて強く思い、坂上さんがおっしゃっていた「人類のために必要な勇気」を今こそ持つべきだと思いました。私たちの恵まれた生活は過去の戦争により失われた多くの命の上に成り立っています。失わた命は決して無駄にしてはいけません。坂上さんのお話から学んだことを心に留めて思いやりの心を持って生活していきたいと思います。

〇係を通しての感想

私は2度目の平和週間の係を通して多くのことを学び、改めて平和週間は先生の助言の元で生徒が主体となって運営しているということを実感した。今年は完全オンラインでの開催となり、みんなの表情をを見ることが出来なかったので不安はあったが、終了後に多くの感想が寄せられて嬉しく思った。平和週間の係は登壇者との打ち合わせからメールでのやり取り、当日の司会進行はもちろん、公演していただいた後に登壇者の方にお礼状を送るところまで行う。私は係になって初めて一つの講演を成功させるには多くのステップがあり、どれも一つ一つ丁寧に行うことが大切だということを知った。また、平和週間では主に司会が目立って見えるが、講演を支える裏方の存在があってこそ平和週間は成り立つ。感想やコメントを書くフォームを作る、お礼状に同封するPDFの作成、機会の操作など画面には映らないところで一生懸命動いてくれている裏方、見守ってくれる先生方のおかげで平和週間を行うことが出来ている。私はこのことを知ってから社会を見る目が変わった。例えば、ニュースなどを見ている時、以前はアナウンサーにしか目がいかなかったが、今ではこの報道にはどのくらいの人が携わっているのだろうか?裏方たちは何をしているのだろうか?など、以前とは違う新たな視点を持つことが出来た。このような学びを得られたことに感謝をして、これからも係を全うしたいと思う。

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