学びの発表会 ③4-6年生の様子/近況(全学年) - 自由学園 初等部(小学校)/東京の私立小学校

学びの発表会 ③4-6年生の様子/近況(全学年) - 東京の私立小学校【自由学園 初等部】 - 人間の土台を創る一貫教育

近況(全学年)

学びの発表会 ③4-6年生の様子

2021年12月16日

12月4日に行われた子どもたちの学びの発表会の様子をお伝えします。

(その他の記事: ①はじめに⇒コチラ / ②1-3年生の様子⇒コチラ

<4年生>

テーマ:私と水

「水について学習してきたことを劇にしたりグループに分かれて発表したりします。一生懸命準備したので、じっくり見ていってください。」

“海水が蒸発して雨になると本に書いてあったが、海水からできる雨はしょっぱくないのか?”素朴な問いから、理科の先生にも協力してもらって実験をして、舐めてみて実感したことを生き生きと語る姿が印象的でした。

「わたしをとりまく水ってどんなもの?」4年生は水をテーマに身近な疑問をグループで掘り下げていきました。校外学習で多摩川の源流から河口まで行き、その途中で玉川上水も見学。キャンパス内では井戸水と水道水があることや、校内を流れる立野川、湧き水、井戸掘りの体験など。こうした経験から各グループで調べていったのが以下のようなタイトルです。

「地下水がきれいなヒミツ」「生活排水」「生活用水」「自由学園で使っている水の量-初等部4年生編」「水道水と井戸水の味について」「雨と雲について」「立野川の地形」「水の循環」「水によって里芋の味が変わるのか」。前半にステージで多摩川見学の報告と、自分たちで役割やアイディアを出し合ってつくりあげた「玉川上水物語」を上演し、後半はそれぞれまとめたパネルの前で発表をして堂々と質疑を受けていました。

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<5年生>

テーマ:食について深く考える

「社会科や『食の元を探る』から広がっていった探求学習です。色々なテーマがあるので楽しみにしていてください。」

学校生活の中で、子どもたちが楽しみにしていて、そして大切にしていることの1つである「食」。5年生では、キャンパス内で稲の栽培をし、夏休みには「食の元を探る」という探求課題に取組み、各自が興味のあることに問いを立て、フィールドワークをし、まとめました。その後新たに生まれた問いを整理する中で「自由学園とのつながりは何かあるかな?」という先生の問いかけが加わり、今回は環境・栄養・文化などの視点から子どもたちは日常生活で気がついた身近なことに問いを立て、探求していきました。

興味・関心や調査対象は初等部を越え、同じキャンパス内にある中高の食事や飼育している豚の飼い方について見学・調査するグループもあれば、食糧部へインタビューするグループ、近隣の農家さんやJAへインタビューするグループ、世界の食やテーブルマナーに目を向けたグループもありました。

主なテーマは以下の8つ。「自由学園の食について探る」「働く栄養素」「自由学園の食事」「AIに頼りすぎるとどうなるの」「気象の影響による食の変化」「食べられる生き物は本当に幸せなの?」「外国のマナー」「世界の主食、食べ方を比べる」。

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<6年生>

テーマ:戦争と平和~戦時中の社会の様子 当時の学園の様子~

「私たちは戦争について広く学び、考えてきました。張り切って協力しながら準備してきました。ぜひ見に来てください。」

戦時下に初等部生だった方から直接お話しを伺い、自由学園で戦時中に書かれた日記や、戦後に疎開を振り返って書かれた『初等部疎開絵巻』を読み、同世代だった人々の気持ちを想像する。その当時の自由学園の様子を最高学部で研究した卒業生に資料を説明してもらい、学内にある慰霊碑や、学徒動員先の近隣の工場への引込線跡を実際に歩き、戦争と平和を想像する。

子どもたちはクラスで一緒に学んできたことを分担して発表し、ステージで語りました。展示室に掲示されていた子どもたちがまとめた資料からは、その足跡を辿ることができました。当時の人たちの暮らしを調べた子どもや、戦時下の動物園や犬や馬の扱いについて調べたグループ、防空壕をジオラマで再現して実際に中に入って体験できるコーナーをつくるグループなど、伝え方にも工夫をしてそれぞれの持ち味がよく出ていました。

最後に、学園長から「考えたことを学校中にぜひ広げていってほしい」というメッセージがありました。生活の中に学びがあり、生活の中へ学びを活かしてみて、在りたい生活や社会にしていく。

実際に体験をして、まず感じること。自分なりに問いを立てて考えて、分かったことを人へ伝えること。基本的に大切にしている学びのプロセスはいずれの学年でも同様ですが、「社会に活かしていけるように」という具体的な提案が高学年に多く見られました。

学校で友だちとこうした経験をしていけることに、大きな希望を感じています。また、子どもたちの多様な学びの足跡をたどってみて、このキャンパスに広がる豊かな教育環境に改めて気づかされました。子どもたちが発見したことを今後どのように展開していくのか楽しみです。

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