田植えは、専門知識のある男子部(中・高等部)の教員が技術指導にあたってくれました。その教員から田植えの最後に次のような話がありました。
「田植えはね、植えて終わりではなく、ここからがとても重要なんだ。例えば、今日は、田植えを終えたばかりだからきれいに植えられているけど、このあと必ず浮いてくる稲が出てくる。そのときは余った稲を再度植え直さなければならない。また、水の管理も重要。もし翌日、気温が低くなると事前に分かっていたら、水を多めに入れて太陽の熱であたためておく。そうすることで、寒さを凌げる。そのほか手間暇のかかる作業がたくさんある。そういうことを一つ一つ調べて、学びながら育てていってほしい。例えば、“稲の花はいつころ咲くか?”とかね。実は稲の花はたった2時間しか咲かないんだ。その2時間に受粉するわけだけど、その花が見られたら最高だね。とにかく、田植えをして終わりではなく、これからがとても重要。みんなで協力しておいしいお米をつくってほしい。」
子どもたちは、田植えを終えた泥だらけの姿で、この話を一生懸命聞いていました。花が2時間しか咲かない話には、一斉に驚きの声が上がりました。 日々、当たり前のように食べているお米。スーパーやコンビニですぐ買えるお米。そのお米がどうやってできるのか?これから田んぼの管理、教科を横断したさまざまな学習を通して、また身体を動かしながら、感じ、考え、学びながら育ててほしいと思います。