有志学生で那須農場近くのイチゴ農園を見学/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

有志学生で那須農場近くのイチゴ農園を見学/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

有志学生で那須農場近くのイチゴ農園を見学

2024年7月10日

6月9日(日)に、学部生がいつも那須農場水田でのお米作りでお世話になっている農家さんからイチゴ狩りに誘っていただき、学部3年生5名が那須農場付近にあるイチゴ農家さんでイチゴ狩りとイチゴについてのお話などを聞きました。

当日は朝5時に学園を出発して、8時頃にイチゴ農園に到着し、農家さんや他の参加者の方と挨拶をしてから、早速イチゴ狩りを始めました。農家さんは「収穫期は終わった後だからそこまで大きいのが残ってないかもしれない」と仰っていましたが、スーパーでも良い値段がつきそうな所謂「L」や「2L」に相当する大きさのイチゴもまだまだ沢山あり、参加していた人は皆さん思いおもいの量を箱に詰めたり食べたりして楽しんでいました。
このイチゴ農園では「とちあいか」という品種のイチゴを栽培しており、一口食べてみると今までに味わったことのないような甘さと瑞々しさが口いっぱいに広がり、自然と笑顔になってしまう、そんなとても美味しいイチゴでした。

 

収穫したイチゴ

 

農家さんの庭先でお話を伺う

 

ハウス内の様子

 

いつもスーパーで販売されているイチゴしか食べてことがない都会のである私は今回のこのイチゴ狩りで初めて本物のイチゴの味を知ることができたように思います。イチゴ狩り自体は1時間程度で終了し、その後はイチゴ農家さんからイチゴについてのお話や今イチゴ農家が直面してる様々な問題についてお話していただきました。栃木県は「とちおとめ」といブランドが有名であり、イチゴの生産量一位を誇っていますが、近年は各県のイチゴの競争が激化しており、福岡県の「あまおう」にも迫られる勢いだそうです。それに対抗するために、栃木県は「とちおとめ」に変わる新たな栽培品種として「とちあいか」を奨励しており、「とちあいか」は「とちおとめ」に比べて安定した大きさのイチゴが取れる他、安定した収量も見込め、耐病性にも優れているという特徴があります。現在「とちあいか」は栃木県内のイチゴ生産量の6割を担っており、生産は上向き傾向で、来年には栃木県内のイチゴ生産量の9割が「とちあいか」に変わっていくのではないかというお話もありました。
また、「とちあいか」に変わっていく背景には消費者のニーズに合わせたイチゴ作りが関係しており、消費者のニーズがそれなりの値段で、それなりのイチゴを食べられれば良いという考え方をする消費者が多い傾向にあることから、その考え方に合った品種として適しているのが「とちあいか」を積極的に栽培している農家が増えたそうです。しかし、一方では「とちおとめ」の方が「とちあいか」よりも甘みが強く美味しいことから、まだまだ一定の人気があるのも事実で、イチゴ農家としてはどちらを選ぶかは難しい問題ですが、これからは「とちあいか」をメインにして試行錯誤を続けていくと仰っていました。

 

収穫させていただいたイチゴ

 

様々な設備

 

他にも、次世代にイチゴ農家を拡げていく活動として、栃木農業大学校に新たに作られた「イチゴ学科」とも共同で栽培研究を行っているようで、現在は近くを流れる用水路を活用したヒートポンプによる暖房設備の設置などを行っており、環境にも配慮したイチゴ栽培を模索しているようでした。
今回はイチゴ狩りという楽しいひとときを過ごさせていただきましたが、イチゴ農家の方からのイチゴ栽培のリアルについて沢山のお話を聞くことができ、とても良い学びの時間となりました。また、お話の中で何度も農業の手間をかける大変さと、その重要性も教えていただけたように思います。
近年、化学も発達し、様々な農業の形が提案されていますが、依然として人手不足という大きな問題は解決していません。私たちが普段なんとなく食べているケーキのトッピングのイチゴも、自然に生えているものを勝手に取って使っているわけではなく、どこかの農家さんが手間をかけて作ってくださっています。その事実を改めて認識したとともに、感謝して頂かなければいけないなと今も思いました。
都心で暮らしている私たちはどうしても身近に「農」感じる機会はありませんが、自分の体を構成しているものがどこからやってくるのか、というルーツを探っていくのはこれから生きてく上で重要になってくるかもしれません。

 

関連記事はこちら
(2024/7/3)【那須農場の学び】水田の除草と那須農場での座学
(2024/6/8)【那須農場の学び】第2回講義の時間に進捗確認と一〇〇年史の輪読
(2024/5/31)【那須農場の学び】中等部・高等部生も参加し水田の除草
(2024/5/19)【那須農場の学び】水田の除草と気象観測露場の整備
(2024/5/14)連休中に有志学生が那須農場に滞在し農家の田植え作業に参加
(2024/5/14)【那須農場の学び】連休中に那須農場の水田で田植え
(2024/4/28)【那須農場の学び】学生有志で田植えの準備に参加
(2024/4/28)【那須農場の学び】那須農場の水田で田植えの準備が始まる
(2024/4/26)【那須農場の学び】講義「那須農場での学びと持続可能な農業・地域づくり」を新規開講

 

文・写真:丸原 歩(最高学部3年)

カテゴリー

月別アーカイブ