【教育】自主研究「RO農法への挑戦」グループが「みんな大地」チームとオンライン・ミーティングを開催/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

【教育】自主研究「RO農法への挑戦」グループが「みんな大地」チームとオンライン・ミーティングを開催/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

【教育】自主研究「RO農法への挑戦」グループが「みんな大地」チームとオンライン・ミーティングを開催

2022年6月16日

<キャンパス内に3種類の栽培方法の比較実験区を開始>

今年度から新しくスタートした最高学部の自主研究「RO農法による和綿栽培」グループが、活発に活動を行っています。自主研究であるため、活動は講義が終わったあとにならざるを得ませんが、各自の都合を調整して、またできる人で作業を進めるなど工夫をして活動が行われています。
5月15日(日)の那須農場での和綿播種以降、キャンパス内の記念体育館裏の空き地に、3メートル四方の畑3区画を準備して、それぞれの区画でRO農法・有機農法・慣行農法で和綿を育て、3つの栽培の比較を行うことをスタートしました。詳しくはこちら

 

記念体育館裏の3区画の畑で栽培比較が始まっています

 

<「みんな大地」チームとのオンライン・ミーティング>

6月9日(木)17時半から、慣行農法・有機農法・不耕起農法を行っているそれぞれの畑の炭素貯留量の測定をしておられる㈱UPDATER*の「みんな大地」チームとオンラインでミーティングを行いました。
はじめに、最高学部学生が今年度からスタートした自主研究の説明をした後は、「みんな大地」チームの活動について、スタッフの方と「みんな大地」チームでインターシップをしている学生(モンゴルからの留学生)からお話を伺いました。お話の要点は以下の通り。

① 埼玉県比企郡小川町で10年以上にわたって行われてきた慣行農法・有機農法・不耕起農法の畑のそれぞれの土の炭素量の測定をしたところ、不耕起農法(不耕起20年以上)の炭素量が3種類の中で1番多く、標準値(農研機構データ)の1.24倍になった。炭素貯留量の多い不耕起農法は炭素吸収源として脱炭素社会に貢献する可能性があることがわかった。

② 炭素量の測定に当たっては、深さ30センチまでの土を採取し、数日間風乾させ、1ミリのメッシュを通して不純物を取り除いたものを使う。測定には燃焼により生成した二酸化炭素の赤外線吸収スペクトルを用いる方法か、クロマトグラフィーで分離して熱伝導度を検出する方法が一般的である。

③ 2015年気候変動枠組み条約第21回締約会議(COP21@パリ)でフランス政府が「4/1000(フォーパーミル)イニシアチブ」を提唱。土壌中に存在する炭素の量が毎年0.4%ずつでも増えれば、毎年の人為的排出による大気のCO2 増加量を相殺できることが提唱された。2018年には米オハイオ州立大学のラタン・ラル博士が農地土壌中の炭素の貯留量を増やす土壌管理法として不耕起農法を確立し、現在不耕起農法が注目されている。

④ 「みんな大地」チームでは、土の再生に加えて、エネルギーの再生(ソーラーシェアリングの普及)、食物の再生(安全な食糧の自給)、心の再生(農作業のヒーリング効果)に取り組んでいる。

 

RO農法の区画での発芽の様子(6月14日)

 

<今後に向けて>

今回のミーティングで「みんな大地」チームからは多くのことを教えていただきました。また学生からの質問にも丁寧に答えていただきました。今後3種類の栽培比較をする中で、土壌の炭素量をはじめ、土壌の状態を分析することが必要になると思います。今回学んだことをその中で活かしていくことができるようにしたいと思っています。

 

*㈱UPDATERは、「みんな電力(株)」が社名変更した会社。

 

関連記事はこちら
自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:和綿を2つの栽培方法で育て比較する

 

文・写真:鈴木康平(環境文化創造センター次長・最高学部特任教授)

カテゴリー

月別アーカイブ