自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:和綿を3つの栽培方法で育て比較する/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:和綿を3つの栽培方法で育て比較する/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:和綿を3つの栽培方法で育て比較する

2022年6月11日

最高学部1年、女子部男子部高等科3年が共同で行っているRO農法実践活動の報告です。

メンバーの男子学部生は昨年度の探求の授業で、深刻化している気候変動への1つの解決策として「リジェネラティブ・オーガニック農法(RO農法)」に注目し活動を始めました。RO農法はオーガニック(農薬・化学肥料未使用)、不耕起栽培により健康な土壌の構築を促進する事ができる農法です。畑の手入れをする回数が従来の農業に比べて少なくてもよいため、自然環境を保護し、また農家さんの負担を減らす事ができます。そんなRO農法を知り、体験し、実践してみたいという思いから昨年度の活動を行ってきました。
今年度はメンバーを新しく加えその実践、挑戦を那須農場と南沢キャンパスで行っています。身近な南沢キャンパスでは作物の成長過程や、他の栽培方法との違いをRO農法に挑戦していく中で学ぶことができる方がよいという指摘を頂いたため、慣行農法、有機農法、RO農法の3つの畑を用意し和綿栽培を比較して行っています。 
3つの農法の違いを簡単にそれぞれ説明すると、RO農法は上記の通り、土を耕さず自然の力を使って作物を育てる方法。有機農法は土を耕し、化成肥料は与えず油粕や鶏糞などの有機肥料のみで作物を育てる方法。慣行農法は土を耕し、化成肥料も用いて育てる現在一般的に行われている育て方です。
まず5月18日、日当たりや風、木の根などを考慮しつつ記念体育館裏の空き地に各3×3(m)ずつ畑を確保しました。その後耕起作業を始めましたが、長らく使われていなかったため広範囲に笹などの根が張っており、その根を掘り出す作業でかなり難航しました。
それから午後に授業がない生徒がいる水曜や土曜日の時間を使い少しずつ作業を進め、5月25日に草刈りとRO農法の畑以外の耕起が完了しました。
その後6月3日に腐葉土、苦土石灰をRO農法用の畑以外に加え、翌日種まきをしました。各畑で端から30cm空け、40cm間隔で列を作り、各列7箇所種をまくことができました。

 

 

笹の根を掘り出し、畑を耕す

 

那須農場の畑では現在2、3割の種が芽吹いているそうで、今月末に学部生が農場に行き、間引き作業などをする予定です。RO農法の初期段階では元々土地が持っている地力に頼らなければならない部分も大きいため、この1年目は一筋縄ではいかない場面も多くあるかと思います。自然の力と向き合う難しさを肌で感じ、その工夫の中で多くの学びが得られたらと思います。
今後の展望は、まずは綿を無事に育てること。そして収量がある程度まで到達したら、その綿を使ってハンカチなどを制作する事を目標に活動を進めていきます。

 

RO農法用の区画

 

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那須農場でのリジェネラティブオーガニック農法への挑戦【和綿の種まきを終えて】

 

文:伊藤碧菜(最高学部1年)
写真:最高学部1年

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