食・農の学びを学会で発表する/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

食・農の学びを学会で発表する/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

食・農の学びを学会で発表する

2017年5月29日

奈良女子大学で開催された日本家政学会の第69回全国大会にて,5月28日に口頭発表してきました.発表演題は,キャンパスを舞台に「育てる」「整える」「味わう」「始末する」の食の循環を学ぶ,です.自由学園における幼稚園から大学部までの1世紀に亘る食の学びのねらいをルーブリック形式にまとめ,実際に行われていること,それが生徒にどのようにしみ込んでいるか,そして社会から自由学園がどのように評価されているかとあわせて,発表しました.食グループの石塚隆雅,栗田萌々子,須山琴美,松本紗季と,農芸グループの髙木小羊子,田中悠貴,野村太郎,渡辺薫の計8名と一緒に発表しましたが,私自身は狂言回しの役割を務め,学生たちが経験者の立場で分担して説明をしました.私の研究者としての専門領域は数学(主として幾何学)なので,今回の発表は自由学園における教育実践の蓄積のおかげです.

食・農の学びを学会で発表する

発表前の記念写真

自由学園における食の学びは1世紀に亘ります.草創期の校舎(帝国ホテルなどもてがけた著名な建築家フランク・ロイド・ライトによる設計で日本の重要文化財)が創立者の意向で食堂中心に設計されていることからも,自由学園が最初から食を重視していたことが伺えます.文部科学省が提唱した総合的食教育,具体的に述べると,食育基本法(2005)における「児童・生徒の学習や生活の基盤としての食育を推進し,健全な食生活を実践することができる人間を育てること」や,食に関する指導の手引(2007)における「食育は家庭科という教科だけではなく,あらゆる場面で取り組むべき課題である」は以前から自由学園が全力で取り組んでいることです.

長い歴史は独自の食分化も生んでいます.今回の学会発表は,食に関する統合的知識体系と将来的展望を持つ家政学会に自由学園の実際を知っていただくことで,自由学園の食の学びをさらに発展させるための知見をいただこうという試みです.発表後は講義の関係からすぐに東京に戻らないといけなかったのでゆっくりはできませんでしたが,さっそく3人の先生方がわざわざ私のところにいらしてくださり,賞賛と激励の声をくださいました.

8月にはまた同じメンバーで,今度は国際学会 The 19th ARAHE Biennial International Congress にて口頭発表します.国際学会での発表は完全に学生に任せる予定です.家政学会での発表は持ち時間が15分(うち3分は質疑応答)と短く,本当はもう少し述べたかったこともあるのですが,次回は20分あるので,来場の皆さんとよい議論ができるよう(英語で!),しっかり準備して臨みたいと思います.

文:遠藤敏喜(学部教員)
写真:田中悠貴(学部2年)

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