基礎造形 エッチングの授業/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

基礎造形 エッチングの授業/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

基礎造形 エッチングの授業

2016年11月2日

今回は、土曜日に開講している「基礎造形」で取り組んでいる、エッチングの授業についてご紹介します。

「エッチング」とは銅版画の技法の一つです。まず銅の版面をグランドというニスで覆い、ニードルなど尖ったものでグランドに描画します。描画することでグランドが削られ、その後「腐食液」という液体に一定時間浸し、描画した線を酸化・腐食させます。

基礎造形 エッチングの授業

描画が終わった版を腐食液に浸し、腐食中

描いた線が腐食され溝になっているのを確認、その後ニスを取りのぞき、腐食された線の部分にインクを詰めて、プレス機に通して紙に写しとることで、描いた像が紙に印刷され、完成です。

基礎造形 エッチングの授業

銅版にインクを詰め、寒冷紗などの布で余分なインクをふき取る

基礎造形 エッチングの授業

インクを詰め終わり、次は刷りの作業へ

基礎造形 エッチングの授業

プレス機のハンドルを回す。版に圧がかかっている手応えを感じながら、刷り上りを想像

基礎造形 エッチングの授業

刷り上がり!少しインクがかすれてしまった。よく観察して改善点を考える

版画はこのように、幾つかの段階を踏んで作品が完成していくので、なかなか完成がイメージしづらい技法ですが、丁寧な作業がとても大切です。

下絵を描き、それをトレースし、またニードルで描き・・・と、何度も同じ線をなぞる作業にため息が出たり、丁寧にグランドを流す作業、また失敗をしてしまってやり直しになる、などなど。共に試行錯誤、行ったり戻ったりしながらも、根気よく丁寧に集中して制作していました。

美術展も近づき、最近の授業では最後の「刷り」を綺麗に仕上げるため、何度も繰り返し刷り、インクの詰め方、拭き取り方を工夫しているところです。気温や力の入れ具合一つで、仕上がりの表情が変わってしまうのですが、皆刷り上りのものをよく観察して、自主的に次はここをこう変えよう、というように、刷りの技術がどんどん上達してきています。

完成をお楽しみに!

文・写真:渡邉悠子(学部教員)

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