昨年度の卒業研究が多摩六都科学館に展示される/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

昨年度の卒業研究が多摩六都科学館に展示される/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

昨年度の卒業研究が多摩六都科学館に展示される

2016年8月25日

今春、自由学園最高学部を卒業した井澤夕海さん(自然の理解と創造ゼミ)の卒業研究「自然と人のかかわり-武蔵野 東久留米向山緑地の動植物-」が、パネルと昆虫標本などによって、多摩六都科学館の自然の部屋に展示されている。

昨年度の卒業研究が多摩六都科学館に展示される

多摩六都自然の部屋 ツリー展示

これは、自然の部屋のツリー展示の一つである。4面のうち最初の2面は、多摩六都科学館 研究交流グループ自然チームによる「身近な自然を調べる」と「生きもののしらべ方」、あとの2面は、自由学園最高学部の井澤さんの卒業研究と、教員による解説および向山緑地・立野川水源地の紹介である。

最初の2面が小中学生向けの一般的な内容で、あとの2面は具体的なケースとして向山をとり上げた構成とし、自然環境の保全活動に従事する方にも参考となるものを目指した。第4面の「小さな観察は大きな地球につながっている」では、最初の2面の内容を、生物多様性や生態系、自然環境の保全活動の観点から深堀りするものとなっている。すなわち、生物の多様性保全には、相互に影響しあう生物と生息地(ハビタット)のセットの多様性保全が必要とされるが、生物の調査(井澤さんの調査)に加え、ハビタットとしての向山緑地の特性を探る展示としている。

卒業研究では、自由学園を流れる立野川の源流域、向山緑地の動植物相を調査した。さらに移動性が少なく環境指標性があると考えられている地表徘徊性甲虫について、向山緑地と、市内柳窪、前沢、南沢、の東京都緑地保全地域との比較調査を行なった。これらの結果から、向山緑地の今後の保全活動を含め、自然と人のかかわりについて考察した。

向山緑地調査については、自由学園も会員である向山緑地・立野川勉強会にお世話になった。地表徘徊性甲虫については、多摩六都科学館の研究交流グループ自然チームにご支援いただき、井上暁生先生がご指導くださった。生物相調査については調査対象緑地の保全活動をされている東久留米自然ふれあいボランティアの皆様にお世話になった。採取された動植物のうち昆虫標本は、多摩六都科学館に寄贈された。

昨年度の卒業研究が多摩六都科学館に展示される

多摩六都科学館に昆虫標本を寄贈(むかって右:井澤さん、左:多摩六都科学館自然チーム木下さん)

文・写真:大塚ちか子(学部講師)
協力:杉原弘恭(学部特任教授)

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