先週の2年課程卒業勉強・4年課程卒業研究報告会に引き続き、3月15日(土)の午後に、1~2年生による学園特別実習と3年生による共同研究の報告会が行なわれた。この報告会は主に学部生対象で、お互いの活動内容と成果を聞きあうものであるが、父母の方や講師の先生も多く聴きに来てくださった。
前半は学園特別実習の8グループ、考古学、施設管理、自然誌・環境、樹木・庭園、消費経済、食、図書・記録、農芸からの報告があった。学園特別実習は、学園運営の一翼を担いつつ、そこでの生活が向上することを、実践的、科学的両側面から総合的に追及する勉強である。1954年(女子学部)から続く伝統ある学びである。
各グループとも今年度の活動報告があり、そのほか研究成果の報告もあった。考古学グループは縄文土器製作実験を行なった。自然誌・環境グループは照度観測を始めた。樹木・庭園グループは昨年度の樹木調査の結果に基づきラベルとマップを作成した。消費経済グループは女子部新入生試着会を始めた。その他ユニークな試みや新しい試みが紹介された。
(左)樹木・庭園グループの報告
(右)考古学グループの展示-製作した縄文土器
後半は共同研究の3グループ、食、環境と経済、ヒューマンセキュリティからの報告があった。共同研究は、9つの総合演習を横断的にまたがる授業で、自分とは違う立場の問題意識や手法・解釈などに触れ、それらと自分の立場を関連させることで、広い視野をはぐくむことができる。
環境と経済は、自由学園の二酸化炭素収支の算出を行なった。ヒューマンセキュリティは、人間を中心とした安全保障について個々の意見をまとめた。食は、食の学びの定着と発展を大テーマに、那須のお米を用いた実践に基づくビジネスプランの提唱、教育現場における地産地消のあり方、自由学園における食の学びのカリキュラムの体系化の3点について知見をまとめた。
(左)質問に答える環境と経済グループ
(右)食グループの報告
1999年度からはじまった共同研究であるが、本年度をもってその活動を終了し、来年度からは総合演習と統合した形のテーマ別グループ研究としてスタートする(詳しくはこちら)。新生学部の持続的革新にご期待いただきたい。
文・写真:遠藤敏喜(学部教師)