3月8日(土)の9時から17時50分まで、4年課程卒業研究と2年課程卒業勉強の報告会が、記念講堂にて開催された。はじめに2年課程の14名が、この1年をかけて、テーマを設定し、勉強し、論文にまとめた勉強の成果を発表した。引き続き4年課程の52名が、2年をかけて総合演習で学び、調査し、実験し、論文執筆した研究の成果を発表した。
当日は天気にも恵まれ、学部生や専任教員のみならず、高等科の生徒や卒業生や父母や講師や近隣の皆様方もお越しくださった。後者の来場者数は約300人であった。発表の後には、ご質問やご意見をいただき、発表者が答えた。多くの暖かい励ましのお言葉も頂戴した。
2年課程卒業勉強報告会リーダーの感想:
私たちは、自由学園の実生活をより良くするために必要とされていることや、講義で学んだ内容からテーマを選び、「衣グループ」「食グループ」に分かれてそれぞれの学びを深めてきた。具体的には、衣のグループは女子部の式服の具体化、食のグループはリーフレット・献立集の作成という形で実を結んだ。女子部の生活を終えた私たちが、今回の卒業勉強に取り組むことによって今まで受けてきた衣教育・食教育を振り返るよい機会となった。また各グループ内で議論を進めることで得られた学びは多かった。一人一人この1年間は、就職や進学の時期と重なりグループ内でまとまる事に苦労した時であった。しかし、時間が限られているからこそ、皆の気持ちがひとつにまとまる事の重要さを改めて感じる時でもあった。今回の学びが直接の成果だけで終わるのではなく、卒業してから、どれだけ長く深く私たちの生活に活かされていくのか、そのことが問われていることを感じる。
松本 梓(学部2年)
(左)「自由学園の食」の報告
(右)「女子部の式服の提案」の報告
(左)食グループ作成のメニューブックとリーフレット
(右)衣グループによる式服見本
4年課程卒業研究報告会リーダーの感想:
11の総合演習がそれぞれの研究成果を報告した。私たちの学年は人数が多く、そして例年よりも報告数が多いため、報告の仕方も種々様々あった。パワーポイントのアニメーションにこだわるところや、模造紙を使うところなど来場者を楽しませられたと思う。質疑応答の時間が限られていたため、そう多くの意見や質問を受けることはできなかったが、その中でも、厳しい意見や質問に対してしっかりと受け答えをできたことは、社会に出た時の一人ひとりの自信になると信じている。この報告会が、それぞれの道に進む前の大きな一歩になったことを確信している。
箭内一道(学部4年)
(左)教育「自由学園の平和教育」
(右)物理・化学「粉塵爆発を制御する」
(左)情報「インターフェイスを考える」
(右)語学・文化「文学作品における「自我」の諸相」
(左)卒業制作「集合と個」(陶芸)
(右)卒業制作「変化と時間」(ロウケツ染め)
卒業勉強と卒業研究の題目
文・写真:遠藤敏喜(学部教師)