最高学部では、年度の始めに、各界でご活躍の方をお招きして、特別講演会を行っている。 本年度の講演会は4月13日(金)に行われ、講師には、国際基督教大学教授の北原和夫先生をお迎えして、「時間とは?」という講演をしていただいた。
講演内容は「時間」とは何かということで、物理学でいう2つの時間の解釈が述べられた。ひとつは時間と空間のように日常生活でも用いられる不可逆的で一方向に流れる時間のこと。もうひとつは拡散的な運動としての時間で、これは非秩序化の方向で、確率論の言葉で述べられる。講演の最後には、もうひとつの新しい考え方が短く紹介された。それは拡散的な成長運動の過程で秩序が生まれる場合もあるというものであった。
内容は決して易しいものではなかったが、具体的な事例を多く挙げてくださり、ゆっくりと噛み砕いて解説してくださった。新1年生をはじめ学部生には物理学の不可思議さを通して学問の面白さが伝わったと思う。
文と写真:遠藤敏喜(学部教師)