3月3日(土)に、2年課程卒業勉強と4年課程卒業研究の報告会が行なわれた。来場者は、教職員、学部生、女子部生徒、父母、理事をはじめとする招待の方々、と総勢500名を超えた。
●2年課程卒業勉強
○社会グループ 社会学的に集団を考える
○福祉グループ 老いと向き合う
○歴史グループ 清風寮の歴史
●4年課程卒業研究
○社会・教育
学校体育の国際比較-日本とデンマークの教育観を通して
遊びという学び
地域社会における世代間ギャップと交通問題
○生活
“働くこと”における自由学園教育の価値と重要性
○語学・文化
「状況の構築」とは何か-Guy DEBORD の映画を題材にして
○思想・歴史
ニュージーランド都市研究序説-ウェリントン地域研究―
カシミール問題
モンゴル 民話・英雄叙事詩等の伝承研究
粋の源流を探る
東久留米市柳窪地区における「まつり」の現代的意味
○生活美術
音と光の空間デザイン
日本画「地球」
日本画「白梅図」
生活してきた空間を表現する
イタリアンヴァージナル制作
デンマーク体操の表現(パフォーマンス)
平面構成
彫塑「手」
○物理・化学
自由学園における局所的気候の解析
○数理情報
自由学園南沢キャンパスの幾何学的最適性
正多面体の展開図と折り紙
後期式枯山水庭園に関する認知学的考察
インクジェットプリントにおける正確なカラーマネジメント技術の研究
卒業勉強と卒業研究は、自由学園でのあらゆる学びで得た知識を収斂するものである。2年課程の卒業勉強は、2年次から毎週土曜日を用いて行なわれる。近年は女子部時代の学びを学部1年次に出会った学問から見つめなおすパターンが多い。4年課程の卒業研究は、3年次からはじまる総合演習を通じてテーマが培われる。いずれも個々の意見を、十分な議論を尽くして鍛え、グループの意見として昇華する。報告会は、その意見を反映し、正当に評価していただく公の場となる。この最終評価の場が与えられていることで、卒業前の時間が引き締まったものになる。
2年課程2年生による卒業勉強の報告
4年生による卒業研究の報告
今年度もテーマは個性的であった。その多彩さから各々10分~20分という短い報告時間であった。しかし、時間以上に心を伝え、成長の姿を見せることができた。多くの質問や意見が出たが、それは心あたたまる励ましであった。報告会もまた大きな学びのときであると実感した。
(左)会場の様子と(右)最後にお礼を述べる4年生
生活美術の卒業制作の展示
女子部生徒が聴きに来てくれたことは嬉しいことであった。学部生とあわせて、いつか来る自分たちの報告会はどうあるべきか、しっかりと聞き、考えてほしい。それが明日の学部のみならず自分の成長へと繋がる。
文と写真:遠藤敏喜(学部教師)