第2回しののめフィールド講座/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

第2回しののめフィールド講座/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

第2回しののめフィールド講座

2012年10月13日

5月6日の第1回に続く、2回目のしののめ寮フィールド講座「向山緑地を散策し南沢氷川神社を訪れる」が8月4日(土)午前に行われた。

この講座は水と緑を大切にする東久留米の自然について地域の方々とご一緒に楽しく学ぶ機会として、自由学園クラブハウスしののめ寮と自由学園が主催している。また共催として向山緑地で保全・保護活動を行っている「向山緑地・立野川勉強会」にもご協力いただいている。今年度は、自由学園を流れる立野川の源流域、向山緑地を年4回、四季折々に散策する講座が計画されている。

今回の夏の講座では、『東久留米の名水に涼を求め、立野川の源・向山緑地から、落合川にそそぐ南沢湧水地を訪ねる』ことを目的とし、10名ほどの方々とご一緒した。東久留米市の南東部にある『自由学園クラブハウスしののめ寮』は西東京市からつづく台地にあり、その北側の低地を立野川が流れている。

まずしののめ寮で、東久留米市の地形を立体地図(第16回東久留米市環境フェスティバルで展示:学園特別実習『自然誌・環境』グループ作成)を用いて説明した。市内から発し、北東に流れる黒目川と、その支流である落合川、さらに落合川の支流である立野川の流路を確かめた。東久留米市内の移動に、これらの河川にそった東西方向の移動では起伏をあまり感じないが、南北方向の移動では起伏が大きい。立野川の崖線(がいせん)も、東西方向は緩やかな傾斜であるが、南北方向では大きいところで約10mの高低差のある北斜面であることを確認した。さらに立野川の北岸は、緩やかであるが南斜面が続くためそれにさえぎられて、向山緑地の立野川源流域の南岸の北斜面がみられるところが大変少ない。まさに隠れた秘境で、古くから周辺の方々が大切に守ってこられたことをお話した。

その後、しののめ寮から、台地面にそって向山緑地まで歩き、気温や湧水の水温を測定しながら源流域の夏の自然を楽しんでいただいた。その後、谷頭をまわって北側の低地に下り、さらに落合川の台地をのぼり、起伏を感じながら南沢氷川神社まで歩いた。

南沢氷川神社では、この地を永くまもってこられた方々について、栗原宮司さんのお話を伺った。南沢氷川神社は、南沢緑地保全地域の高台に位置し,古来より湧水の守護神として祀られてきたお社であり、鬱蒼とした鎮守の森に囲まれている。風の通る涼しい境内で、宮司の栗原さんから、参拝の仕方や神社の由来をうかがったあと、境内末社「八雲社」に納められている神輿や大太鼓を見せていただいた.現在は警備や交通の問題から神輿や太鼓が市内に出ることはないが、もともと農村であった東久留米の豊穣を願い、氏子地域に住む人の手によって巡行する神事を復活させたいというお話であった。南沢氷川神社は、落合川と隣りあっているが、もともと河川の直線化工事が計画されていた。そのため境内北側の社務所は河川の通り道を配慮してつくられた。しかし、そのままの流れを残したいという市民の強い訴えもあり、貴重な北斜面の河畔林をふくめ、古くからの自然環境が残されている場所である。また今回特別に拝殿に上がらせていただき、奉納されている貴重な絵馬「加藤清正虎退治絵馬」(文政4年:1821年)を見せていただいた。 市内に現存する最古の絵馬で市指定有形文化財に指定されている。

解散は南沢水辺公園で行った。公園には自主研究のベンチグループが作成した自由学園の海山と名栗植林地の間伐材を使用した手作りベンチが置いてある。そこで、解散した。貴重な時間を過ごしていただくことができた。

第3回しののめフィールド講座は11月23日(金)または25日(日)を予定している。

文:木村芙未子(学部4年)・平松裕子(学部4年)

第2回しののめフィールド講座
向山緑地の自然観察
撮影:力久俊治(向山緑地・立野川勉強会)

第2回しののめフィールド講座
向山緑地の湧水地の散策
撮影:平松裕子

第2回しののめフィールド講座
湧水地の水温測定
撮影:力久俊治(向山緑地・立野川勉強会)

第2回しののめフィールド講座
北側から見た向山緑地
撮影:平松裕子

第2回しののめフィールド講座
南沢氷川神社で宮司の栗原さんのお話を伺う
撮影:杉原弘恭(学部教師)

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