向山緑地の保全活動―立野川源流域/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

向山緑地の保全活動―立野川源流域/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

向山緑地の保全活動―立野川源流域

2012年9月15日

最高学部の「自然の理解と創造」および「環境と経済・社会」テーマ別研究グループの4年生は、自由学園を流れる小河川である立野川とその源流域、向山緑地の保全活動に、卒業研究の一環として参加している。

この6月の東久留米市環境フェスティバルには、『立野川と台地―向山と自由学園』というテーマで「向山緑地・立野川勉強会」の一員として、最高学部1・2年の「自然誌・環境」学園特別実習グループと一緒に展示参加した。

「向山緑地・立野川勉強会」は、2011年度に、卒業研究の4年生も参加して企画実施された講座、「向山緑地と立野川に始まる地域学―隠れた名所にご案内」の参加者が中心になって、2012年3月に発足した。向山緑地と立野川の保全するための市民ボランティア活動を目的として、東久留米市とボランティア協定を結んでいる。活動は、向山緑地公園、立野川その周辺の崖線樹林、及び遊水地において野生動植物等の生息環境の維持・保全調査に関する作業を、東久留米市と協議して行っている。これは、(学)自由学園および周辺住民との交流の場を図ることに留意しておこなわれている。

立野川は、東久留米市の南部から北東に2㎞あまり流れ、落合川と合流する小河川である。この川は、源流域の向山緑地(南沢3丁目)から東に自由学園(学園町)、さらに浅間町と流れ、落合川に入る。流路は、南側にある台地の崖の下である。台地と立野川との標高差は、大きいところでは10m近くある。崖の下部にある礫層から、ほとんど全域で地下水が湧出している。自由学園は、向山緑地の立野川源流域から約1㎞のところにあり、校内に立野川の低地面と台地面の両方がある。立野川の流れる低地と台地面との境にある崖は、北斜面である。この斜面は、湧水の影響で、気温の年較差が台地上より小さく、水分も多く、在来の野生種も生育している。

今回の展示参加は、地域の方と共同での初めての展示参加である。「自然の理解と創造」グループは、地域の方と向山緑地の紹介展示を作成した。「環境と経済・社会」グループは、向山緑地保全の意義を展示した。「向山緑地・立野川勉強会」として、市民の方々に向山緑地を知っていただくために、北側から撮った写真を小さなカードにして、市の散策マップと一緒にお渡しした。

2日間で2000人を超えるお客様を迎えた。「向山の存在を初めて知った。」という市民の方も多くいらした。展示の説明をさせていただくだけでなく、他団体(36団体)の展示を見て市民の方と直接お話し、自然、農業、食、環境問題など幅広い分野について考える機会となった。

「向山緑地・立野川勉強会」では、月に一回、まず向山緑地内の自然観察のあと、参加者全員で、手入れをしている。この緑地で、ともに観察し学び働くことによって、地域の方々と共に理解を深め、自然環境を保全する活動である。今後とも、着実に続けていかれるようにと願っている。

さらに、この5月から自由学園クラブハウスしののめ寮のフィールド講座が開かれ、学生が地域の方々を、向山緑地にご案内をしている。参加者の方々から、以前のようすや、ご意見などをいただける貴重な学びの場となっていることに、感謝している。

向山緑地の保全活動―立野川源流域
東久留米市役所正面玄関

向山緑地の保全活動―立野川源流域 向山緑地の保全活動―立野川源流域

向山緑地の保全活動―立野川源流域 向山緑地の保全活動―立野川源流域
『立野川と台地―向山と自由学園』の展示の様子

向山緑地の保全活動―立野川源流域 向山緑地の保全活動―立野川源流域
展示した「向山緑地・立野川勉強会」の活動の様子(2012年2月)
左は樹木調査(2012年2月)、右は樹木調査後の集まり

向山緑地の保全活動―立野川源流域
配布した向山緑地のカード(北側から見た景観)

文:平松裕子(学部4年)
写真:平松裕子(学部4年)、須藤秀実(学部3年)、大塚ちか子(学部教師)

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