「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」の第2回(座学)/教養・専門 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」の第2回(座学)/教養・専門 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

教養・専門

「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」の第2回(座学)

2024年5月17日

5月11日に「日本の里山・里川・里海と地域デザイン(自由選択講義)」の第2回(座学)を行いました。講義の概要についてはこちら

 

課題図書『「流域地図」の作り方―川から地球を考える』

 

はじめに4月28日に行われた1年生の飯能・名栗フィールド活動を振り返り、続いて地域を捉える原単位として注目した「流域」という概念に関連する課題図書、岸由二氏の『「流域地図」の作り方―川から地球を考える』を読んでのブックレポート発表を行いました。学生からは「私たちがどれだけ地球という場所での暮らしに甘えているのか、住んでいる場所についての知識のなさなどを痛感した、近所を歩く中で少し周りに目を向けるだけで得られる知識もあるだとう、日々の中でアンテナを張って生きていきたい」、「自然災害などに直結する概念だと思うので、自分の身の回りの流域などを意識しようと思った」といった感想がきかれました。
加えて流域について、内閣府水循環政策本部等が提供している副教材も活用して確認した他、流域の骨格である河川における川上(上下)・川下(下流)のつながりについて、加古里子氏の絵本『かわ』を用いてイメージを膨らませました。
更に岸由二氏の提唱する大地の凹凸に基づく「自然の住所」という概念を応用して、南沢キャンパスの「自然の住所」を確認しました。後半は、その中で上がった「武蔵野台地」というキーワードから、日本の里山のモデルの一つとしての「武蔵野」の特徴や、都市の発展とともに変化した過程について学びました。最後に5月後半に予定している見学のガイダンスを行いました。

 

長さ7mの巻絵・絵本『かわ』を眺める

 

今後、春期の間は教室でのディスカッションと見学を通じ、里山や流域、共通のフィールドである荒川流域の水循環を中心に、歴史、文化、自然、環境について理解を深めていく計画です。その上で、秋期には各自が興味を持ったテーマについて深めまとめていく予定です。そのような中から、地域・社会をより良くしていく新しい提案が生まれることを期待しています。

 

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文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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